近年、私たちを取り巻く環境は便利なもので増えていて、子どもたちが自然と触れ合う機会が減少しているように思います。
自然遊びは幼児期の心身の発達においてとても大切なものです。自然物での遊びは子どもたちの感覚や創造性を育むだけでなく、興味や関心を広げてくれるものとなります。
この記事では、数ある自然遊びの中から【木の実遊び】に焦点を絞り、具体的な遊び方や保育士としての注意点、年齢別の声かけの仕方について詳しく解説します。
木の実遊びを通して何が育つ?
木の実遊びでよく使われるものは、どんぐり、松ぼっくりがとても身近で扱いやすい木の実だと思います。では、これらの木の実で遊ぶことでどのような力が育つのでしょうか。
- 感覚の発達:幼児期は感覚が発達する重要な時期です。木の実や葉っぱ、土などに触れることで、見たり匂いを嗅いだりすることは視覚や触覚を刺激し、感覚統合を促すことができます。
- 身体能力の向上:木の実を探したり、拾ったりする動作を通じて、手先の力を使うことで指先の発達を促し、しゃがんだり上に伸びて木の実を取ろうとする動作は全身運動につながります。
- 社会性の発達:木の実遊びを通じて、他の子どもたちとの関わりが生まれ、協力や共有の大切さを学ぶことができます。特にグループでの遊びでは、コミュニケーション能力もついてきます。
- 創造力の刺激:木の実を使って工作や遊びを展開することで、子どもたちの想像力が豊かになります。また、自分で考えた遊びを十分に楽しむことで、自己満足につながります。
- 思考力がつく:木の実などの自然物を観察したり遊びを工夫することで、自然に対する興味や関心が広がるだけでなく、自分で遊びを工夫する力がついてきます。
乳児クラス(0〜2歳)
遊びのねらい
- 自然物に触れて興味を持つ
- 五感を使いながら自然物で楽しく遊ぶ
- 自然物遊びを通して自己表現を楽しむ
- 手先を使ったり体を使ったりして木の実遊びを楽しむ
具体的な遊び
- 感触遊び:どんぐりや松ぼっくりを大小様々に用意し、触ったり、握ったりすることで、感触を楽しむことができます。
- 観察遊び:保育士と一緒に木の実を見たり、匂いを嗅いだりして自然を観察して楽しむことができます。
- 木の実探し:お散歩の際に周りの木々を見ながら落ちている木の実を探します。子どもたちが興味を持った木の実はそのまま触って感触を楽しめるようにします。
- 色や形の違いを見つける:並べたり触ったりする中で違いに気がついて視覚を刺激しながら楽しむことができます。
- 音遊び:地面に叩きつけたり擦ったり、小さなペットボトル容器やカップなどに入れ転がして音への興味を引き出します。
援助や声かけのポイント
- 安全に配慮する:子どもが口に入れないよう、保育士は必ず近くで見守るようにします。
- 興味が持てるような声かけをする:「これは、何色かな?」「触ってみる?」など、子どもが興味を持つような質問を投げかけます。
- 安心感を与える: 手をつないで一緒に探しに行くことで、安心感を与え、より積極的に遊ぶ姿勢を引き出します。
幼児クラス(3〜5歳)
遊びのねらい
- 自然物遊びを通して想像する楽しさを味わう
- 友達と協力して一緒に遊ぶことを楽しむ
- 自然物への興味や関心を持って楽しむ
具体的な遊び
- おままごと遊び:木の実、カップ、お皿などを十分に用意しおままごと遊びを楽しむことができます。
- 工作遊び:どんぐりや松ぼっくりを使って自分だけの特別なおもちゃやアクセサリーを作ることができますよ。
- 宝探しゲーム:松ぼっくりを砂場などに隠して探し当てるゲームは幼児さんでは大盛り上がりです!
- ストーリー作り:集めた木の実を使って、マジックで目を書いたり、目玉シールを貼るとあっという間に木の実のキャラクターが出来上がり!子どもたちが物語を作って演じるとまた遊びが広がっていきます。
援助や声掛けのポイント
- 興味を引く質問をする:「この木の実を使って何を作りたい?」と子どもたちの想像力を引き出す質問をします。
- 遊びに必要なものを考える時間を作る:子どもたちから出た意見をもとに、その遊びをするには何が必要か考えたりアイディアを出すことで思考力がついていくように配慮します。
- 協力を促す:他の子どもと一緒に遊ぶことで、協力や共有の大切さを学ぶことができます。「みんなで作ったらもっと楽しいよね!」と声掛けをしながら協同的な遊びにつながるように援助します。
- どんな姿も肯定的に捉える:「すごいね、そのアイデアは面白い!」と子どもたちの発想を認めることで自信を持ち、次の遊びへの意欲に繋げることができます。
まとめ
木の実を使った自然遊びを通じて、子どもたちは自然と触れ合いながら創造性を育むことができます。季節の移り変わりを感じ、身近な自然を使った遊びは、感覚や想像力、社会性が育まれるだけでなく、自然環境への理解も深まります。子どもたちにとってかけがえのない経験となるでしょう。保育士としては安全面に十分に配慮し、子どもたちの遊びをサポートしていきたいですね。
また、こうした自然の恵みを活かした遊びに加え、保育室の環境づくりも大切です。温かみのある手作りの雑貨を取り入れることで、子どもたちがより安心して過ごせる空間を作り出すことができます。季節感を感じさせるインテリアは、子どもたちだけではなく、大人もリラックスして落ち着く空間を作ることができます。ここでは素敵な温かみのあるアイテムを見つけることができると思いますよ。ぜひチェックしてみてくださいね。