保育士は子どもの成長を身近に感じられることができるとてもやりがいのあるお仕事です。
しかし、保育士というお仕事はそれ以上に辛いことも多いのです…。
お仕事なんだから大変なのは当たり前…なのですが、保育士さんによっては真面目で頑張りすぎてしまったり優しさゆえに悩みすぎてしまう事も少なくないのです。そして保育には正解がない上に一人一人に応じた対応が求められる為悩みが尽きないことも多いのです。
今回は【保育士が辛いと思う瞬間4選】をまとめ、私自身が辛いと思った時にどのようにその辛い気持ちに対処していったかをご紹介したいと思います。
今「辛い」「やめたい」など気持ちが落ち込んでいたり悩んでいる人は参考にしてみてください。


保育士が辛いと思う瞬間4選
保育観の違い
保育観とは、保育をする上での大切にしたい価値観や考え方です。保育観は育ってきた環境や出会ってきた人や園がそれぞれ違うのですから様々にあるのが当然です。保育士の数だけ保育観も異なりますが、自分の保育観を大切にしたい反面、それが他の人の保育観と大きくずれていると悩みの種となってしまいます。
【保育観の違いの例1】
子どもに対する抱っこについて
保育士A 泣いている子どもの気持ちに寄り添い、子どもを抱っこする
保育士B 抱っこはせず、泣いている子どもの気持ちを受け止め遊びへ気持ちが向かうように援助する
どちらの対応も間違っていない、まさに保育観による対応の違いです。
保育をしていると瞬時に状況を判断して対応することが求められます。その子どもの気持ちの背景を考えると対応としては一つの正解がある訳ではありません。保育士Aのように抱っこで気持ちが落ち着く子もいるでしょう。保育士Bのように気持ちを受け止めてあげるだけで安心して遊びへ気持ちを切り替えられる子もいるでしょう。子どもの状況や性格など日々の関わりを元に対応を考えていくことが必要になってきます。
しかし、ここで注意したいのは、そもそも子どもが抱っこを求めているのか、泣き止ませる為だけの抱っこになっていないか、子どもが満足した時点で自然に抱っこを終わりにし遊びへと気持ちが向くようにしているか、などのことを考えていく必要があります。自分の保育観を元に、自分の対応がどうだったのかを振り返る時間を作る事ができると良いですね。
【保育観の違いの例2】
本来の遊び方とは違う遊びに対する対応について
保育士A 子どもの自主性を大切にし、どのように遊びが展開していくのかを見守る
保育士B 「これはこうやって遊ぶんだよ」と本来の遊び方を教える
これも保育士の保育観によって対応が分かれるケースです。もちろん危険が伴う場合はすぐに止める必要があります。しかしそうではない場合、その子どもの遊びの芽を大切にしたい気持ちと、本来の遊び方をルールとして覚えてほしい気持ちとどちらが良いのか悩んでしまうという保育士さんもいますよね。子どもも保育士によって対応が変わってしまうと混乱してしまいますので、できれば職員会議などでグループワークをしてみたり、園としてどういう対応をしていくのが好ましいのかを共通の意識を持つことが大切になるかもしれません。
このように保育観の違いにより、対応は保育士によって様々にある事がわかります。その為正解も一つではないので悩んでしまうと言ったケースが多いのが現状です。保育観の違いで悩んでしまった場合は、相手の保育観の理解に努めることは必要ですが、自分の保育観も大切にしてあげる事が大切だと思います。全部相手に合わせる必要もないですし、自分の保育観だけが全てではないということを頭に入れておきましょう。
保育観の違いが場合によっては不適切保育といったケースへ繋がることもある為、子どもに否定的な言葉掛けをしたり、子どもを保育士の言いなりにさせるような保育を目にした場合は、主任や園長に相談することをお勧めします。それでも改善の余地が見られない場合には転職を考え、自分の身を守った方がいいかもしれません。
人間関係
人間関係についての悩みは、保育士の仕事が辛いと思う理由として多く挙げられています。主に3つのケースでまとめていきたいと思います。
【同僚や上司、部下】
職場内の人間関係一つとっても園長や主任という上の立場の人との関係だったり、一緒に組んでいる先生との関係であったり、指導する後輩、指導されている先輩について、など様々なケースが考えられます。職場内の人間関係については身近に相談できる人がいれば相談するのも一つですが、職場の人に相談した場合、その相談内容が噂として広まってしまうとどんどん関係が悪くなることもあります。自分とは考えが違うと割り切ったり、仕事以外のリフレッシュ方法を考えるなどしてみるのもおすすめです。
【保護者】
保護者との関係について悩む保育士も少なくありません。保育士として保護者の方それぞれに応じた丁寧な関係作りが求められますが、中には相性が合わない保護者がいる事もあります。また、小さな怪我やトラブルを引き金に保護者との関係が悪化してしまうことも少なくありません。必要以上に保護者に対して媚びへつらう必要はありませんが、保育士と保護者が協力し合って子どもを一緒に育てていくということを頭に入れ、日頃からの保護者とのコミュニケーションを大切にしていきたいですね。日頃から良い関係が作られていると怪我やトラブルの際にも保護者から状況を受け入れてもらえることが多いので、日頃から意識して関係作りをしていきたいですね。ですがどうしても苦手な保護者がいる場合には、事前に対応を主任や園長と相談してみたり、場合によっては話し合いの時に同席してもらったりといった対応が望ましいと思います。
【子ども】
子どもとの関係が悩みになるケースもあります。
保育士はプロとしてどの子どもに対しても平等に接していく必要がありますが、保育士も人間ですからどうしても合わないといった場合もあるでしょう。また発達がゆっくりな子どもに対しての対応に悩んでしまうといったケースもよく聞きます。一人で思い詰める前に他の保育士と連携をとっていくのも一つの手です。大切なのは苦手だなと思った子どもに対しても顔には出さず、どの子どもに対しても平等に接していく必要があります。休憩時や子どもと離れた時などに困っていることを相談してみたり対応を他の保育士に頼んでみるなどの方法をとってみるといいでしょう。
子どもが怪我をした時
保育士は子どもの命を預かるのが仕事です。その為保育士によっては自分のせいで怪我が起こってしまったと必要以上に責任を感じてしまうこともあります。もちろん責任を持って子どもを預かることは必要なことです。ですが子どもは大人の予想を上回る行動をすることもありますし、身体的な発達の途中であることから、怪我や事故を完全に回避することは難しいことです。どういう状況で怪我に至ってしまったのか、今後対策できることは何かをきちんと把握していくことが大切になってきますし、その状況を丁寧に伝える事ができれば保護者からの理解も得られやすいかと思います。事故や怪我が起こるとどうしても責任を感じてしまうでしょうが、子どもの発達を理解し遊びの環境を見直すことが大切になってきますので、前向きに次の保育へと活かせるといいですね。
私が理不尽だなと感じた子どもの怪我についてですが…一緒に組んでいる先生は子どもに対して背を向ける事があり、そういった瞬間に噛みつきや引っ掻きが起こることがあります。保護者の方への説明は見ていた保育士がするのが一般的ですから、見てない先生のせいでいつも自分が目撃者となってしまい事情を説明するのは本当に辛かったです。でも見ていないと事前に防ぐこともできないので難しい問題ですね。私のこの例は相手がベテランの先生だったので、言えずに自分の中でモヤモヤして終わってしまいました。直接は言いづらいですからヒヤリハットなどの報告の際に保育士の立ち位置、顔を向ける方向などの改善点をクラス担任同士で確認してお互いに意識を高めていくのが一つの対策なのではないかと思います。
残業や業務量が多い時
保育士の仕事は子どもと遊ぶだけではありません。他にも園内の掃除や消毒、洗濯、製作や行事の準備、保育計画などの事務仕事などもしなくてはいけません。それらも仕事であるのに、自分の勤務時間に進めることは難しい場合が少なくありません。もちろん園によっては職員同士で声を掛け合い、全体で仕事量を把握しながら順番に仕事を進められるようにしてくれる園もあります。しかし自分の勤務時間が終了してからが自分の事務時間が始まると言った園も少なくありません。少しずつ保育士の仕事環境の見直しも進んできてはいますが、まだまだ良い環境とはいえない園も多いのが現状です。
こうした現状に対し、責任感が強く真面目な保育士さんは、うまく仕事をこなせない事に対して強くストレスを抱えてしまうケースもあります。そんな時には自分の中の達成度のハードルを下げたり、仕事の優先順位をきちんと決め、あれもこれもと背負い込むのではなく一つずつ仕事をこなしていきたいですね。
保育士として一番大切なのはお預かりした子どもと怪我や事故なく過ごせることですので、まずはそこがクリアできていたら良しとするそんな考え方も大切になってきます。
まとめ
保育士の辛いと思う瞬間4選をまとめました。仕事が辛いと感じている場合、そのまま無理して続けると体に異変が起きたり心の病気に繋がるリスクが高くなってきてしまいます。現状の辛いと思うことを一旦冷静になって整理していくことをお勧めします。保育士という仕事はいきなり全てを上手にこなしていくことは難しい部分もあります。経験から自分の学びになるということを知り、必要以上に仕事がうまくできない自分を責めたり不安になる必要はありませんので安心しましょう。少しずつ自分のできることを増やしていき、保育士として成長していけるといいですね!

